言われてみたらその通りで、多分クラスの人達は、私と桜庭くんは付き合っていると思っているだろう。

 それに、今日、瀧先生にも桜庭くんははっきり言った。『真剣に付き合ってますよ』って。あの時は、少しびっくりしたけれど、思い出したら、今更恥ずかしくなってきた。

「俺が絡んでないと真実味が無いの明らかなのに、俺を外してる辺りが中途半端で、余計に俺絡みっぽい気もしちゃうんだよね。
 武田が、遠藤さんがやったわけじゃないことも、それをとわが納得してる事も説明したみたいだし、クラスは大丈夫だと思うけど。
 とわ、明日学校行く? 行くなら、朝迎えに行くよ?」

「え?」

「とわの家までお迎え行くよ」

 電話先の桜庭くんの声音は、少し楽しそうですらある。

「桜庭くん……。緊張感、無いよね」

「んな事ないよ。来るなら一緒に居たいだけ。一緒に居なきゃ守ってあげられないでしょ? だから、迎えに行ってあげる。近くに着いたら電話するから、朝 準備しておいてね?」

 私が「行く」と言う前に、明日の朝の約束がとりつけられていた。この辺は……やっぱり、桜庭くんだ。

 不安は色々あっても、明日も朝から桜庭くんと一緒に居られる。それだけで、少しだけ元気になった気がした。