「……え? あー、うん。ごめん……。でも、とわ知ってるのって在校生だよね?それに絞ったら5人くらい、だと思う」
在校生に絞らなかったら? 5人位って……ソコ正確な人数じゃないんだ? 在校生に絞った概算でそれは確かに取っかえ引っ変えしたって言われるよね。頭に浮かんだのは、微妙なツッコミどころと、妙な納得。そんな自分に笑ってしまった。
「とわ?」
「なんでもないよ。私、やっぱり意外と大丈夫だなって思っただけ。職員室、行こうよ」
意外と大丈夫。桜庭くんの元カノ事情も、今回の事も。
桜庭くんは、黙ってサッカーをしていたら、超イケメンだけど、喋ったらちょっと可愛くて、時々締まらなくて、少し寂しがりの甘えたで、優しくて、時々ちょっと強引だったりもするけれど、その割には素直で、ちゃっかりしてて、こんな時でも、ちょっとのんびりしてる。
でも、こんな時なのにいつもと変わらずに居てくれるから、大丈夫なんだと安心させてくれる。
私の中で、桜庭くんへの信頼感は、確かな核を形成していた。

