そう。ダメージが無いわけじゃないけど、意外と少ない。それは多分、桜庭くんがずっとそばに居てくれるからの様な気がする。
書のことも、動画のことも、桜庭くんが説明をくれて、私がわけがわからないままパニックにならないようにしてくれた。
こんな時に傍に居てくれそうなのは、若菜や羽純位しか思いつかないけれど、桜庭くんに説明して貰えなかったら、若菜とは今頃喧嘩をしていたっておかしくない。羽純は、桜庭くん絡みでは後々の事を考えると頼りにくいし……
もしも本当に原因が桜庭くんに関係しているとしても、朝からずっとそばに居てくれるのは、本当に頼もしいのだから。
「桜庭くん、居てくれて良かった。ありがとう」
桜庭くんは、「その俺が、原因っぽいんだけどね」と苦笑いする。
「でも、解んないんだよね。俺、1年の終わり頃から誰とも付き合ってないし。こういう事しそうなエキセントリックな人もいまいち思い当たらないし……。そんなに別れるのに揉めた相手も居ないし……さっさと新しい男作ってんのばっかりなんだけどな」
「桜庭くん」
「ん?」
「元カノ、そんなに沢山いる?」

