スイート ジャッジメント【番外編、別視点公開しました】


「現物も……ちゃんと話してから見せようと思ってたんだよ。でも、俺が1番にとわ捕まえられて良かった……かな」

 優しい瞳が私を捉えて、くしゃりと頭を撫でられた。

「それで、動画なんだけど」

「……若菜が、写ってる……んだね?」

「そう。遠藤さんが写ってる。ただし、遠藤さんはやってないって言ってる。
 それから、俺も最初は気づかなくて武田に言われたんだけど、その動画は上手く繋いであるけれど、少なくとも1度は編集されてる。
 つまり、最初に遠藤さんは映るけれど、遠藤さんがやったっていう証拠にはならない。いいね」

「わかった」

「ショックだろうから、絶対見ろとは言わない。気になるなら一緒に見るけど、どうする?」

「……見る」

 私が制服のポケットからスマホを出そうとすると、桜庭くんのスマホが差し出された。

「俺ので見て。とわのに履歴、残させたくない」

 桜庭くんの指が画面をタップすると、真っ暗な画面にノイズ混じりの音だけが加わった。

 教室の引き戸を開けた音、そして足音と人の声。

「とわ?」

 画面の中から私を呼んだそれは、確かに若菜の声だった。