それから1年がたった。俺は2年、兄は3年生になった。
「今日から、新しいメンバーでの、新しい活動になります、総体まで気を引き締めて、頑張っていくぞっ!」
と、部長の兄の一言。
「まだまだ未熟なところはあるけど、一生懸命頑張っていくので、よろしくお願いします!」
と、副部長。

兄たち先輩は、一週間後に控える総体を目前とし、必死に練習に取り組んでいた。

「おい、葵威、」
と、兄に方を叩かれる。
部活中に、話しかけてくるのは珍しい。
「あぁ?」
「総体、頑張ろうな、もしかしたらお前出られるかもしれないから。」

...兄がそんなこと言うなんて。俺なんか、全く上手でもなんでもないのに。