「楓馬♪ふふっ、遊びに来ちゃった!」
入院が決まった俺は、現在入院中。
学校へも行けず、たまに友達が見舞いに来てくれた時にノートを見せてもらっているところ。
「柚葉?お前大丈夫なわけ?」
と、俺の彼女である楠木 柚葉。
彼女は、スポーツ大好き女子。でも、この前事故って右半身骨折という重症。それで今入院している。
「え?ダメだよ!でもね楓馬に会いたくなったの!いーじゃん、どーせ楓馬暇でしょう?」
と、彼女は隣に座る。
「別にいいけど、後で怒られるのは柚葉だからな?」
柚葉は俺の一個下、葵威と同学年。今が部活のやり時なのに骨折って可哀想だよな。そう思うと中2の時にたくさんバスケ出来て良かったのかな。…とつくづく思う。
「えー?楓馬は私に会いたくなかったの?」
「会いに来る時は電話かメールかしてって言ったよ?俺は」
柚葉は少し自己中というか話を聞いてないことばっか。でも可愛いから、別れられない。なんかキモイけど。それに病気になった今、彼女のおかげで生きていけてる。本当に感謝しかないんだ。
「えー。分かったよ〜3分おきにメールしてあげる」
「それはだるいからやめろ。」
なんでこう、差が激しいんだ?こいつは。
「なんで冷たいの。もう行っちゃうからね?」
と、彼女は部屋を出ていった。

俺は、彼女との思い出を作りたくない。強いて言うなら、別れたい。好きなんだけど、俺は病気だから、俺が死んだら、彼女は悲しむんだ。そんな姿見たくないし、想像したくもない。

だから、別れなきゃと思うんだけど、ちょくちょく会いに来るから、会う度好きだって思っちゃう俺がいるんだよな。
なんか矛盾してる。
別れたくない。でも別れたい。

俺は、俺はどうしたらいいんだっ…。

1人の個室で太陽を見上げながら空に叫んだ。