51対50というナイス試合を終えた俺達は、兄の元へ駆け寄った。
「兄さん、大丈夫?」
と、肩を揺すると弱々しい声が帰ってきた。
「ごめん...最近...あんまり体調が優れてなくて...病院行かないと行けなかったんだけど...迷惑かけたくなかったから...でも結局こんな結果じゃダメ...だよな」

「兄さん何言ってるの?俺たちが負けたと思ってる?」
「え、勝った...の?」
俺的には、兄さんの誕生日のプレゼントにと思ってた。
「勝ったよ、試合の途中兄さんの声が聞こえた気がするんだ。」

正直、優勝候補とも言われてたさかはるに勝てるなんて思わなかった。ほんとにぼろ負けすると思ってた。
でも心の奥底で、勝てるんじゃないかという希望を持っていた。

兄が倒れて居なかったからこそ発揮できた力があると思ったんだ。
今まで全てを頼みすぎたのかもしれないね。ごめん...。やっぱ大変だったよな。