それから、第2回戦へ、突入した。
相手は、阪井遥中。優勝候補の学校だ。
俺らは、運が悪く第1シードに、当たってしまった。
「いや、次さかはるじゃん。第1シードは、辛いでしょ…。」
「それ、俺たちこれで終わりなのかな?」
と、先輩達が呟いている。
俺も阪井遥の試合を見たことがある。俺たちではとても相手にならないくらいの強さの人達だ。
さすがに、もう、これで終わりなのか…っ!?
不安の声で染まる中、兄が口を開いた
「俺たち、そんなに弱小か?」
…え?
「俺たち、さかはるに、勝てる見込みもない雑魚なのか?」
「そうとしか言えないだろ!?あのさかはるだぞ?無理に決まってんだ…っ!」
先輩達の目に涙が溢れた。俺たち2年もつられて泣き始める。
「負けてもいい、ただ諦めんな。本気で勝つことの次にいいことは、本気で負けることなんだよ!!!お前ら、今まで何してなんだよ!?」
…!
兄貴が泣いてるっ…?全く弱音を吐かない兄貴。だからこそ部長にふさわしいんだと改めて思った1年生の時。
「俺はっ!俺は信じてるぞ…?このメンバーでできる最後の試合かもしれないんだ。みんなこのメンバーでよかったと思える最後にしよーぜ。」
爽やかな笑顔でみんなの泣き雰囲気が笑いに変わった。
「俺たちに無理な試合なんてない!行けるぞ、大丈夫だ!!」
そうして迎えた第2回戦。
俺は心の中で絶対いけると確信していた。たとえどんなにピンチでも先輩達ならやってくれる...そう信じていた。
最初のポイントを取られ、そのままさかはるムードへ。
(...このままじゃ...やべぇ、先輩達がっ...。)
そうは思っているのものの、やはり相手はさかはるで。すごく強い。
前半、28対10というかなりの点差を広げられた。
「楓馬くん!大丈夫?かなり息が上がってるみたいだけど。」
と、顧問の先生が言う。
確かに、今までの兄とは雰囲気がまるで別人。
部長というのを背負っているからか、勝たないといけないという気持ちがあるからか...。
「大丈夫す、この試合勝たないといけない...んで。約束したんすよ...。」
「でも、その状態じゃいつ倒れるか分からないのよ!?それでも出るって言うの?」
先生も何とか説得させようとかなり必死。
「もし、もしこの試合負けたら、俺達の最後の試合はこのVSさかはるになるんだ。こんな出られないなんて、そんな終わり方したくは...ないっ.....。」
「兄貴!?」
「先輩!!」
「楓馬!?!?」
兄はその場に倒れ込んだ。
それから、兄は意識を失ったまま、後半戦が行われた。
兄がいないというこの緊張感の中。誰も仕切る人がいなくなり、みんなは落ちムード。
「なあ?楓馬がこんな試合望んでると思うか?ボロボロで負けた俺らを認めてくれると思うか?俺はそうは思わない。楓馬が居ないからこそ、今俺らが頑張らなきゃならねーんだよな!?」
と、副部長。
...そーだよな。そーだよな...!
「よし!兄さんの分まで頑張っぞー!」
先輩後輩なんでどーでもいい。今は今は勝ちだけを。勝ちだけを望むんだ。
【一生懸命やって勝つことの次にいいことは一生懸命やって負けること】
兄はずっとこの言葉を胸にプレーをしていた。
だから、兄が出られない今、俺達がこの言葉を引き継ぐしかないんだ。
副部長の言葉からチームみんなの雰囲気が変わり、俺たちムードへ持っていくことに成功した。
38対50まで追い詰めた。
...あと、あと5分。
あとは攻めるしかない!
先輩のリバウンドからのシュートを決め、40対50。
残りは4分半程。
もちろん俺達もへとへとだが、さかはるもしかなり疲れている様子。相手の監督の先生も焦りだして、作戦を考えてたっぽいけど、かなり辛いやつらしく、みんな追いついていないように見えた。
45対50まで攻めた!
あと...あと2分...。勝てる、その気持ちが俺たちに一気に浮かび上がってきた。
先輩がノーマークのスリーポイントシュートを決めた!
48対50。俺達も相手も鈍くなっている。
俺達のかてる道は1つ。ノーマークスリーポイントを作ることだけ。先輩に回しながらタイミングを図る。
俺にパスが回ってきた。残りは1分もないくらい。
さかはるもしヘトヘトとはいえ、かなりの守備力。
...負ける...っ、ヤバいっ...。
そう思った瞬間、兄の声が聞こえた気がした。
「今だっ、行けっ。」
スリーポイントシュートのところで待ち構えていた先輩に無事パスすることが出来た。
...残り10秒!
華麗なステップとともに、ゴールネットにスリーポイントのシュートが...
...決まった。
相手は、阪井遥中。優勝候補の学校だ。
俺らは、運が悪く第1シードに、当たってしまった。
「いや、次さかはるじゃん。第1シードは、辛いでしょ…。」
「それ、俺たちこれで終わりなのかな?」
と、先輩達が呟いている。
俺も阪井遥の試合を見たことがある。俺たちではとても相手にならないくらいの強さの人達だ。
さすがに、もう、これで終わりなのか…っ!?
不安の声で染まる中、兄が口を開いた
「俺たち、そんなに弱小か?」
…え?
「俺たち、さかはるに、勝てる見込みもない雑魚なのか?」
「そうとしか言えないだろ!?あのさかはるだぞ?無理に決まってんだ…っ!」
先輩達の目に涙が溢れた。俺たち2年もつられて泣き始める。
「負けてもいい、ただ諦めんな。本気で勝つことの次にいいことは、本気で負けることなんだよ!!!お前ら、今まで何してなんだよ!?」
…!
兄貴が泣いてるっ…?全く弱音を吐かない兄貴。だからこそ部長にふさわしいんだと改めて思った1年生の時。
「俺はっ!俺は信じてるぞ…?このメンバーでできる最後の試合かもしれないんだ。みんなこのメンバーでよかったと思える最後にしよーぜ。」
爽やかな笑顔でみんなの泣き雰囲気が笑いに変わった。
「俺たちに無理な試合なんてない!行けるぞ、大丈夫だ!!」
そうして迎えた第2回戦。
俺は心の中で絶対いけると確信していた。たとえどんなにピンチでも先輩達ならやってくれる...そう信じていた。
最初のポイントを取られ、そのままさかはるムードへ。
(...このままじゃ...やべぇ、先輩達がっ...。)
そうは思っているのものの、やはり相手はさかはるで。すごく強い。
前半、28対10というかなりの点差を広げられた。
「楓馬くん!大丈夫?かなり息が上がってるみたいだけど。」
と、顧問の先生が言う。
確かに、今までの兄とは雰囲気がまるで別人。
部長というのを背負っているからか、勝たないといけないという気持ちがあるからか...。
「大丈夫す、この試合勝たないといけない...んで。約束したんすよ...。」
「でも、その状態じゃいつ倒れるか分からないのよ!?それでも出るって言うの?」
先生も何とか説得させようとかなり必死。
「もし、もしこの試合負けたら、俺達の最後の試合はこのVSさかはるになるんだ。こんな出られないなんて、そんな終わり方したくは...ないっ.....。」
「兄貴!?」
「先輩!!」
「楓馬!?!?」
兄はその場に倒れ込んだ。
それから、兄は意識を失ったまま、後半戦が行われた。
兄がいないというこの緊張感の中。誰も仕切る人がいなくなり、みんなは落ちムード。
「なあ?楓馬がこんな試合望んでると思うか?ボロボロで負けた俺らを認めてくれると思うか?俺はそうは思わない。楓馬が居ないからこそ、今俺らが頑張らなきゃならねーんだよな!?」
と、副部長。
...そーだよな。そーだよな...!
「よし!兄さんの分まで頑張っぞー!」
先輩後輩なんでどーでもいい。今は今は勝ちだけを。勝ちだけを望むんだ。
【一生懸命やって勝つことの次にいいことは一生懸命やって負けること】
兄はずっとこの言葉を胸にプレーをしていた。
だから、兄が出られない今、俺達がこの言葉を引き継ぐしかないんだ。
副部長の言葉からチームみんなの雰囲気が変わり、俺たちムードへ持っていくことに成功した。
38対50まで追い詰めた。
...あと、あと5分。
あとは攻めるしかない!
先輩のリバウンドからのシュートを決め、40対50。
残りは4分半程。
もちろん俺達もへとへとだが、さかはるもしかなり疲れている様子。相手の監督の先生も焦りだして、作戦を考えてたっぽいけど、かなり辛いやつらしく、みんな追いついていないように見えた。
45対50まで攻めた!
あと...あと2分...。勝てる、その気持ちが俺たちに一気に浮かび上がってきた。
先輩がノーマークのスリーポイントシュートを決めた!
48対50。俺達も相手も鈍くなっている。
俺達のかてる道は1つ。ノーマークスリーポイントを作ることだけ。先輩に回しながらタイミングを図る。
俺にパスが回ってきた。残りは1分もないくらい。
さかはるもしヘトヘトとはいえ、かなりの守備力。
...負ける...っ、ヤバいっ...。
そう思った瞬間、兄の声が聞こえた気がした。
「今だっ、行けっ。」
スリーポイントシュートのところで待ち構えていた先輩に無事パスすることが出来た。
...残り10秒!
華麗なステップとともに、ゴールネットにスリーポイントのシュートが...
...決まった。


