「病院に行ったほうがよくない? 救急車、呼ぶ?」 「絶対……呼ばないで」 「でも……」 「寝てれば大丈夫だから」 「布団の上まで動けそう?」 伊原くんは自力で起き上がり、なんとか布団の上に移動して横になる。 「汐野のこと送っていけそうにない……ごめんな」 「私のことは気にしないで」 「……でも遅いから、親に迎えに来てもらって」 熱があってつらいのに、私のこと心配してくれるなんて……。