「ねぇ、伊原くん……こんなことあまり言いたくないんだけど」 「いいよ、気にしないで言って」 「白石さんがもしも学校でいじめにあっていたとしたら……いじめに苦しんで、窓から飛び降りたって可能性はない?」 「茉雛が自殺しようとしたってこと? それは絶対ない」 伊原くんは、強く否定する。 「もしいじめにあっていたとして、茉雛が死ぬほどつらい思いをしてたとしても、茉雛はその方法を選べないはず。というか選ばない」 「どういうこと?」 「茉雛は、いまの両親のことがあるから」 「いまの両親て?」