「白石さんは、必ず目を覚ますよ。一生懸命お願いすれば、奇跡だって起こるかもしれないでしょ? 私も伊原くんと一緒に毎日神様にお願いするから」 「汐野……」 「あきらめちゃダメだよ。私は信じる」 伊原くんは私の顔をジッと見る。 「汐野ってすげぇな……さんきゅ」 伊原くんは優しい目で微笑んだ。 こんな表情もするんだね。 いままで知らなかった伊原くんのこと、今日だけでたくさん知れた。