……彼女のこと、本当に大切に想ってるんだね。
彼女が目覚めるなら、自分の命はどうなってもいいなんて……。
こんなふうに誰かを愛したことなんて、私にはない。
でも、すごく憧れる。
「白石さんが目覚めたとき、伊原くんがいなかったら意味ないよ」
「え……?」
「つらい気持ちはわかるよ。でも、自分の命がどうなってもいいなんて言わないで……。白石さんの命も、伊原くんの命も、同じくらい大切なものなんだから」
彼女が安心して目を覚ますことができるように。
彼女とまた一緒に笑うことができるように。
伊原くんは、元気でいなくちゃダメだよ。


![春、さくら、君を想うナミダ。[完]](https://www.no-ichigo.jp/img/issuedProduct/10560-750.jpg?t=1495684634)
