「あ、いたいた! 風杏ちゃん」


うしろから声をかけられ振り向くと、音ちゃんが笑顔で立っていた。


「音ちゃん」


「お仕事おつかれさま。はい、これ」


そう言って音ちゃんは、ビニール袋を私にさしだす。


袋の中には、紙パックのジュースと、各クラスの屋台で売っているやきそばとドーナツが入っていた。


「忙しくてゆっくりまわれてないでしょ? 休憩のときに食べてね」


「わぁ! 音ちゃん、ありがとぉ~!!」


私はうれしくて、音ちゃんにぎゅうっと抱きつく。