「俺、少しは風杏の役に立てた?」


「十分すぎるくらいだよ。夢のようなイベント考えてくれて、ありがとう」


「喜んでくれてよかった」


彼の笑顔とは反対に、私は無理に笑顔を作った。


そして私は腕時計を見る。


「……そろそろ最終バスの時間だ。帰らなきゃ」


「早いなぁ、田舎は。もう最終かよ。まだ夜になってないぞ」


「乗り遅れたら大変だよ。行こ?」


「うん」