「え!? 行くっ! 行きます!!」 「行きたいところ、考えておいて」 「どこでもいいの?」 「どこでもいいよ。話したいこともあるから」 「話したいこと?」 「うん、大事な話」 そう言い残して、伊原くんは自分の席のほうへ歩いていった。 クラスメイトたちが次々と教室に登校してきて、「おはよう」とあいさつが飛びかっている。 私はしばらく放心状態だった。 こ、こ、これは……まさかデートですか!?