そして、3年生になった。
先輩が卒業したのをきっかけに、いじめも終わった。
あんなに苦しんだのに、いじめが終わると、べつの世界に生きているかのようだった。
小さな狭い世界があのときの私のすべてだった。
吹奏楽部は続けていたけど、私が先輩にいじめられていることを知りながら見て見ぬふりをしていた部員たちとわだかまりがとけることはなく、部長は顧問にうまく話してほかの人にかわってもらった。
いじめがなくなっても、体調が悪い日が続いた。
腹痛があったり、生理痛がひどくなったり、頭痛や吐き気、めまいもしょっちゅうだった。
体調を崩してばかりの私を心配して、親が病院に連れていってくれたけど、悪いところは見つからず、ストレスだろうと診断された。


![春、さくら、君を想うナミダ。[完]](https://www.no-ichigo.jp/img/issuedProduct/10560-750.jpg?t=1495684634)
