翌日、25日の終業式。
先生から生徒たちに向けて、茉雛ちゃんの容態など説明があった。
そして、茉雛ちゃんは屋上から転落したのではなく、クリスマス会の準備中に図書室の窓からあやまって転落したことになっていた。
昨日、警察官が学校に来たときに、茉雛ちゃんと事故が起きる直前までクリスマス会の準備をしていた図書委員の生徒がいたらしく、先生や警察官もその生徒から詳しい事情を聞いたらしい。
図書委員の生徒から事情を聞き、警察官も先生も図書室しか調べていないようだった。
本当のことを話さなければいけない。
茉雛ちゃんは、飛び降りようとしていた私を助けようとして、下に落ちてしまったのだと。
だけど、怖くてたまらなかった。
茉雛ちゃんは、意識が戻らないままだった。
誰にもあの日起きたことを言えないまま、時間は流れていった。


![春、さくら、君を想うナミダ。[完]](https://www.no-ichigo.jp/img/issuedProduct/10560-750.jpg?t=1495684634)
