クラスメイトの告白。



茉雛ちゃんは、1年生のときのクラスメイトで、席が近かった。


1年生のときは吹奏楽部が楽しくて、仲のいい友達はクラスの子ではなく吹奏楽部の子ばかりだった。


でも部活の練習が厳しいのもあってか、仲良くしていた吹奏楽部の子たちは1年生のうちにどんどんやめてしまった。


茉雛ちゃんは校内1の美少女と噂されるほどで、みんなに注目されている存在だった。


だから、なんとなく近づきにくかった。


でも茉雛ちゃんは、クラスの誰に対しても優しく親切に見えた。


2年生になって茉雛ちゃんとは別のクラスになって、話す機会がなくなった。


茉雛ちゃんのまわりにはいつも誰かがいるイメージだったけど、1年生のときも茉雛ちゃんが誰と仲良しだったかと聞かれたら、すぐに思い浮かばない。


茉雛ちゃんにもつらい過去があって、いまでも人と深く付き合うのが怖いと思っていたなんて知らなかった。


だけど、つらい過去を経験して、誰か苦しんでいる人がいたら助けたいという彼女は、やっぱり素敵な人なんだと思う。


私とは、ちがう。


私は、茉雛ちゃんのようになれない。