『どうして茉雛ちゃんが泣くの……?』 『……音ちゃんに……死んでほしくないから……』 茉雛ちゃんは震える手で柵をつかむ。 彼女はこっち側に来ようとしている。 『やめて、来ないで』 『だって……助けたいの……』 『もういい……もういいの。ぜんぶ終わりにする』 『……私も同じだった』 『同じって……どういう意味?』 『死にたかった』