■灰谷音side■





――どうして、こんなことになってしまったんだろう。


茉雛ちゃん、ごめんなさい。


ごめんなさい。ごめんなさい。


あの日からずっと、心の中で謝ることしかできなかった。


怖かったの。


卑怯な人間でごめんなさい。


お願い、目を覚まして。


眠りつづける茉雛ちゃんが目を覚ましたら、私はすべてを告白する。


そのつもりだった。