クラスメイトの告白。



伊原くんが受付で病室に入る許可をもらっているとき、私は彼のそばに行き、小さな声でたずねた。


「ねぇ、本当に双子なの?」


「え? うん。いまさらどうした?」


な、なぬ……!
私が伊原くんと白石さんが双子だと当然知っているかのような口ぶり……!


「いや、だってさ……」


彼女が助かるなら、自分の命はどうなってもいいとか。


病室でも、“俺には茉雛しかいないんだから”とか。


そう言ってたから……彼女のことを深く深く愛しているんだと思ってた。


え?


私が勝手に最初から誤解してたってこと?


そういえば、伊原くんから白石さんのことを“彼女”だとか“付き合ってる”とか、直接聞いたことはなかったかもしれないけど……。


白石さんの病室に入れるのも、本当に双子で家族だからだったんだ。


伊原くんが白石さんの彼氏で、白石さんの両親とも仲良しだから、彼女の病室に入れるのだと勝手に思いこんでいた。


伊原くんの両親は事故で亡くなっている。


白石さんのいまの両親は、実の両親じゃないと聞いている。


“俺には茉雛しかいないんだから”


あの言葉は……伊原くんにとって血のつながった家族は、白石さんだけしかいないという意味だったの?