「茉雛ちゃんが持っていた紙は、私の物なの」 そう言って、音ちゃんはうつむき、花かごをぎゅっと抱きしめた。 「え、待って、音ちゃん……どういうこと?」 私も伊原くんも、突然のことで動揺を隠せない。 白石さんの制服のポケットに入っていた、くしゃくしゃの紙。 いじめをうかがわせる内容が書かれた、あの紙。 あれが、音ちゃんの物?