クラスメイトの告白。



「赤西と?」


「うん。赤西さん明日から学校に来るって……!」


「本当に? よかったな……って、風杏が泣くのな」


「だってもぉ……ごめん……。赤西さんが笑ってくれた顔、思いだしたらうれしくて……いまだってつらいはずなのに……」


伊原くんは、指で私の涙をぬぐってくれた。


「赤西さん、これからカウンセリングとか受けたりするって言ってた。赤西さんの傷が少しでも癒されるといいな……」


「そうだな」


傷は、きっと簡単に消えることはない。


悪魔のような最低な人間からうけた傷のせいで、なにもかも怖くなってしまったと思う。


人を信じることも、怖くなってしまったはず。


それでも、傷を癒してくれるのは……たぶん人なんだ。


いいひとたちに、たくさん出会ってほしい。


つらい日々を過ごした分も、これからは優しいひとたちに出会ってほしい。


私にできることがあれば、力になりたいって心から思う。