クラスメイトの告白。



病院が見えてくる。


病院の入口前にあるベンチに座っている、私服で帽子を深めにかぶっている伊原くんの姿が見えた。


「おーいっ! 伊原くーん」


私は手を振りながら彼のもとへ走っていく。


彼は顔を上げると、私を見て微笑んだ。


「ハァ、ハァ……バス停から全力で走ってきたから……ハァ……しんど……」


私は息を切らしながら、ベンチに倒れこむように座った。


「そんなに急いで走ってくるくらい俺に会いたかった?」


「えっ!?」


伊原くんに顔をのぞきこまれて、顔が熱くなる。


「それで、俺に話したいことって?」


「あ、えっと……その……」


突然ドキッとさせるようなこと言うから、頭が真っ白になってしまった。


「ちょっとまってね……息が……」


「いいよ、ゆっくりで」


私は胸もとに手をあて、乱れた呼吸を整えながら、落ち着きを取り戻す。


「伊原くん、あのね……さっき赤西さんと話したんだ」