やっぱり当時1年生の図書委員だった黄島さんの証言は、本当だった。


12月24日の放課後、クラスの日直の仕事で校舎に残っていた黄島さんは、帰るときに学校の階段で赤西さんとすれ違って挨拶をしたと言っていた。


あの日、クリスマス会の準備のため、赤西さんは学校に来ていた。


でも、緑河くんはあの日、赤西さんに会っていない。


緑河くんは、白石さんとふたりきりでクリスマス会の準備をしていたと証言している。


いったい、どういうこと……?


それに、当時1年生の黄島さんは、翌日になって事故のことを知ったと言っていた。


ということは、黄島さんが赤西さんと階段ですれちがったとき、まだ事故は起きていない。


赤西さんとすれちがった黄島さんが階段を下りて、下駄箱で靴を履き替え、雪の積もったグラウンドを歩き、正門から学校を出ていくまで、だいたい5分くらい……?


5分もあれば、赤西さんは階段を上がって図書室に行けるはず。


赤西さんが図書室に行ったのは、白石さんの事故が起きる前ということになる。