それから15分ほど走ったところで、車は止まった。 3階建てのアパートの前だった。 「赤西の家は、階段のぼって3階のいちばん右の部屋だよ」 「わかりました。ありがとうございます」 「僕は車で待っていたほうがいいかな?」 赤西さんとほとんど話したことのない私がひとりで行くより、元担任の黒河内先生と一緒のほうが赤西さんも話しやすいかな? どうしよう……。