「赤西さんが不登校になるまえ、黒河内先生とふたりで話しているのを何度か見かけたっていう生徒がいたので、もしかして先生なら赤西さんの不登校の理由を知っているかと思ったんです」


「担任として、赤西の悩みに何度か相談に乗ることはあったけど……」


「赤西さん、先生に何を相談していたんですか?」


「……それはちょっと言えないな。赤西の個人的なことだから」


「そうですよね……」


赤西さん、何を悩んでいたんだろう。


その悩みは、不登校になったことと関係があるのだろうか。


「どうして赤西のことを? 汐野と仲良かったのか?」


「いえ……赤西さんとは同じクラスになったこともなくて、あまり話したこともないんですけど……。じつは赤西さんに、白石さんのことで聞きたいことがあって……」