職員室の前から廊下の隅に移動した。 「話って?」 「あの……赤西さんのことです」 黒河内先生は、スッと視線を外した。 一瞬、先生の表情が曇ったような……気のせいだろうか。 きっと、先生も元担任として、赤西さんが不登校になってしまったことを心配しているにちがいない。 「赤西さんが不登校になった理由って、先生は知っていますか?」 「いや……」 黒河内先生も理由は知らないのか……残念。