クラスメイトの告白。



「あの、赤西さんっ」


私が赤西さんのほうへ歩きだすと、彼女はすぐさま逃げるように走りだした。


「ま、待って!」


スーパーの通路を走って、赤西さんを追いかけていく。


「話があるのっ!待ってっ!」


私は走りながら叫ぶけど、彼女はそのまま店の外に出ていってしまった。


スーパーの前は広大な敷地の駐車場。


車があちこちにとまっていて、辺りを見回しても赤西さんの姿はない。


どこかに隠れちゃった?


せっかく会えたのに、逃げられてしまった。


「走るの、速すぎだよぉ……ハァハァ……」


私は息を切らしながら、その場にしゃがみこむ。


「赤西さんに話、聞きたかったのに……」


赤西さんとは同じクラスになったことがなく、私も彼女の顔と名前を知っている程度。


赤西さんも、私のことはよく知らないだろうけど……急に話しかけたせいで驚かせてしまったのかもしれない。


赤西さん……大丈夫かな。


学校に来ないのも、なにか理由があるはず……。


だけど、どうして誰も、赤西さんが不登校になった理由を知らないんだろう。