クラスメイトの告白。






新学期初日の今日は、午前中で学校が終わった。


私は、クラスの女子数人と教室に残っておしゃべりを楽しんだあと、先に下校した伊原くんの家に向かう。


ひとりで道を歩いていたら、学校を出て5分ほどのところで、制服姿の男女が抱き合っている場面に遭遇した。


驚いた私はその場に立ちどまる。


いいなぁ……うらやましい……。


ラブラブなのはいいんだけど、こんな道端で抱き合うなんて……私のほうがドキドキしちゃうよ。


どうやってカップルの横を通り過ぎる?


それとも邪魔しないように引き返す?


すると、気配で気づいたのか、抱き合っているカップルが私のほうを見た。


「え? あれ……紫蘭ちゃん?」


抱き合っていたカップル、女の子のほうは1年生の紫蘭ちゃんだった。


「汐野先輩っ」


紫蘭ちゃんといえば、プレイボーイの緑河くんだけど……紫蘭ちゃんと抱き合っている男の子は、緑河くんじゃなかった。


男の子の制服もうちの高校じゃない、他校の生徒みたい。