「あ、うちここなの」 立ちどまった私は、二階建ての自分の家を指さした。 「送ってくれてありがとう」 「じゃ」 「夜道暗いから、気をつけて帰ってね。危ないから寄り道とかしないようにね。もしヘンな人に追いかけられたら……」 「女子か! 俺は」 「へへっ、ごめん」 男の子に家まで送ってもらうのは初めてで、なんていえばいいのかわからなかった。 「あ、そういえば汐野……」 「え? なに?」 「夏休みは俺ここにいないから、事故のこと調べるのは夏休みが明けて学校がはじまってから、またよろしく」