クラスメイトの告白。



白石さんの病室の前にやってきた。


……なんだか緊張する。


「伊原くん、ごめん」


「ん?」


「先に病室入ってて。私トイレに行ってくる」


「わかった」


緊張してお腹が痛くなってきてしまった。


「ひとりで行けるか?」


「ふふっ、小さい子みたいな扱いだね」


「トイレの場所、ちょっと離れてるからさ」


「平気。行ってくるね」


私は病院の廊下を歩いていく。


少し歩いた先で振り返ると、伊原くんは病室のドアを開けて中に入っていった。


私は通りかかった看護師さんに軽く頭を下げて、トイレに向かった。


いまさら帰ることなんてできない。


私は、私のするべきことをしなくちゃ。


白石さんの意識が戻ること、そして元気になった彼女が、伊原くんとまた幸せな日々を送ることを、私は願うんだ。


ほかに余計なことは考えちゃいけない。


いまはただ、ふたりのために。


心から祈ろう。


それくらいしか私にできることなんてないんだから。