クラスメイトの告白。



「あ、そういえば今日の放課後ね、音ちゃんと赤西さんの話したんだ」


「灰谷と?」


「うん。音ちゃんも、赤西さんが学校に来てないこと心配してる。あまり親しくはないみたいだけど、1年と2年のとき、音ちゃん赤西さんと同じクラスだったんだって」


「赤西ありさが不登校になった理由、灰谷に聞いてみたか?」


「もちろん聞いてみたけど、わからないって……」


「そっか……。夏休み明けには学校に来るといいけどな。保健室にはたまに来てるみたいだし」


「そうだね」


そのとき、バスが走ってくるのが見えた。


私たちはベンチから立ち上がる。


白石さんが泣きながら電話していた相手は、赤西さんなのだろうか。


それとも、着信履歴には残っていない、他の人物なのだろうか。


白石さんは、いったい誰と戦おうとしていたのだろうか。