心配してもらえるのが、どうしてこんなにうれしいの?


私のことが特別だからじゃない。


伊原くんには、白石さんがいるんだし。


私のことは“相棒”だからだよね?


クラスメイト……いや、友達として、彼は心配してくれているだけ。


私……特別に思われたいの……?


「緑河と、何話したの?」


そうだった。


私がここに来たのは、その話をするためだ。


ヘンなことを考えている場合じゃない。


「緑河くん、思いだしたみたいなの。白石さんの事故が起きた数日前」


「数日前?」


「学校の廊下の隅で、白石さんが泣きながらスマホで誰かと電話してたのを、緑河くんが見かけたって」