外に出ると、私は大きく息を吐きだした。 どうしてこんなに胸が苦しいんだろう。 伊原くんはクラスメイトで、具合の悪い彼を看病しただけ。 ただ、それだけ。 そう、何度も自分に言い訳していた。 それでも、複雑な気持ちは消えない。 悪いことをしてしまった気分だった。 白石さん……ごめんなさい。 心の中で、彼女に謝った。