「昨夜、帰らなかったのか?」


「心配で……」


「一晩中、看病してくれたんだな」


「あ……うん」


看病しながら結局寝ちゃったけど、一緒の布団で寝ていたことは話さないでおこう。


「具合どう?」


「もう大丈夫。汐野のおかげだな」


「でも一応、今日は学校休んだほうがいいよ?」


「そうする」


「じゃあ……帰るね。ゆっくり休んで」


「ありがとな、汐野」


「うん」


笑顔でうなずいた私は、彼の家から出ていく。