* 鳥のさえずりで、私は目を覚ました。 目をこすりながら部屋の中を見る。 自分の部屋じゃない、いつもと違う光景。 夢じゃなくて、現実だったんだ。 私は、伊原くんの部屋で眠っていた。 窓の外は、うっすらと明るい。 いつのまにか朝になっていた。 隣で寝ている伊原くんの顔を見つめる。 熱……下がったかな……? 伊原くんの額にのせたタオルを取り、私はそっと自分の手をあてる。 よかった……熱はだいぶ下がったみたい。