「あ、そうです。すみません。助けてくれて、ありがとうございます。」
そう言ってみたものの、私的には助けてもらわない方が嬉しかった。
彼は、ホットミルクをくれたり、たわいのない話で私の緊張をとってくれる、優しくて、かっこいい人だった。
「君ってさ、学校に行ってみたいって思わないんですか?」
「行ってみたいとは思いますけど…。」
「けど…の続きは?」
私、病気だからなんて、言えるはず無かった。
「……。」
「ごめんなさい。失礼なことを聞いてしまいました。」
「いえ、こちらこそ……。」
「あの、一つ提案があるのですが。」
「はい?」
「あ、明日、僕と一緒に学校へ行きませんか?いや、行きましょう!」
突然そんなことを言われて、いいですよなんて簡単に返せる人はいるのだろうか。
「席だって僕の隣ですし、勉強のこととかいろいろ教えることは、可能なので…。」
そこまで言って、彼はしまったという顔をした。私が困っていることがわかったのだろう。
「あ、服もかわいたんで、帰りましょう。家まで送ります。」
「ありがとうございます。」
それだけ言った。というか、それしか無かった。
帰り道、急にユイって呼んでもいい?タメ口で話していい?と、いろいろ質問された。私はぜんぶいいですよと答えた。何がどうなったか知らないけど、私は彼のことをヨウって呼ぶことになった。敬語が取れるのは、ずっと先になるだろうけど。
色々話し、考えているうちに、家についた。明日の約束はしていないけれど、来るだろうか。