「そうだったね。あの時は出会ったばかりで、真冬は今にも泣きだしそうだったね。」


そう、もともと人見知りをする私は、あの日初めて会ったばかりの慶次郎とその二つ上の兄慎一郎さんと遊ぶことになったのだ。

でも、私は知らない人ってだけで二人のことが怖くて、今にも泣きだしそうだった。

その時に、慶次郎がシロツメクサで冠を作って優しく微笑み「大丈夫だよ。」と言ってくれた。

・・・、今となっては恥ずかしい思い出だ。


「そうだったかしらね?そこまで詳しくは覚えてないわ。」

しっかりと覚えてるくせして覚えてないフリをした。