「・・・、。」

何も言えなかった。

慶次郎に言われるまで私も他の人と同じように、何も知らずにのうのうと過ごして、「栄えてるっていいわね。」なんて言ってたんだと思うと、自分に嫌気が差した。

「ごめんね、別に真冬が悪いわけじゃないんだ。本当にごめん。」

「ううん、慶次郎の言うとうりだわ。」

「そんなことないよ、はい。」そう言って慶次郎は、微笑みながらシロツメクサの冠を私の頭の上に乗せた。

「懐かしい。前にもこうやって冠を作ってくれたわね。」

私は幼い時のことを思い出して、ふわりと笑った。