「いや、涙のあとが見えるから、心配でさ。」

「それならさっきまで寝てて、変な夢を見たの。その夢の中で私、泣いてたんだ。」

慶次郎は、少し神妙な顔で「変な夢?どんな?」と聞いてきた。

「うん、なんか私が1人であの丘の上に立って、泣いてるの。ただそれだけの夢。」

うーん、と慶次郎は悩んでる素振りをめせ
「久しぶりに行きたいんじゃないのかな?あの丘に。行こうか?」
と、優しく微笑みかけた。

「うん、行きたい!行きましょう。」

少し興奮気味に言って、あの丘へと行くことにした。