『あ、こっちも使っていいよ。』



そして彼女はまた違う扉を開ける。




今度は何かと思えば、




『おたくの事務所にある設備には大分劣るだろうけど、一応簡易ジムだよ。』





鏡張りの部屋に、トレーニング用の器具がズラリ。




「え?!スゲー!」



『あー、やっぱり男の人はこっちのが喜ぶね。最初から見せてあげれば良かった。』




確かにそこまで大型の物はないが、自宅とは思えない。

奥の方は物がなくスペースが開けていて、大きなスピーカーもある。



「ハザマさん、踊るの…?」


『ちょっとハザマさんて、やめてよ!ルナって呼ばなきゃこたえなーい!』



えええ…なんて理不尽な。


でもまあ、同棲する相手に苗字呼びっていうのも変か。





「…ルナ。」


そう呼べば、今度は照れたように、笑う。



『きゃーっ!BLUEのユキ君が、ルナ、だって!』


「ちょ、茶化すなよ…」


『あははー!ごめんごめん。』



…コイツ、全然悪いと思ってないな。