『お布団は和室に運んで、問題はユキ君の荷物だよね。どうしよっか…』
買い物から帰ると、マネージャーが俺の自宅から服とか生活用品を段ボールに詰めて持って来てくれていた。
『お洋服、私のクローゼットの一角に置くんでも良い?』
「どこでも構わないよ。」
『おっけー。じゃあクローゼットこっちだよ、それ持って付いて来て。』
それは玄関から向かってリビングの反対側、俺がまだ一度も踏み入れたことのないドアの向こうだった。
『んーと、この辺を空けるから…』
「うわぁ…」
そこは。
「…すっごい広い。」
ウォークインクローゼット。
靴にドレスにアクセサリーに、ショーケースのようにビッチリ綺麗に並べられて、壁には大きなミラー。
いわゆる女の子の憧れ、というのを形にしたような空間で、男の俺でも、素敵すぎて溜息が出る。
