『なんか変だとは思ってたけど、こんな風になるとは思わなかったの…』



困ったように眉を下げる整った顔を見ると、俺も胸が痛んだ。



くそ、注意不足だった。
いくら酒が入ってたからといって、許される失態じゃない。

でも…




「…にしても、だからってなんで、同棲…」




『うーん、それよりご飯どうする?』


「それより?」


『え、だって、もう日付変わるよ?お腹すくじゃん。』


「…じゃん」


『ユキ君て納豆とか嫌いな人?』


「ユキ君」


『あ、そう呼んじゃヤダ?』


「いや…」




ユキ君というのはBLUEファンからの俺の愛称で、ヒロユキのユキをとって…




「ってそうじゃなくて!やっぱりお前タダのファンだろ?!」



ダメだ、コイツにペースを乱されちゃいけな『パース!』


「うぉっ?!」




『おー!さすが運動神経良いね~』





お椀やら醤油やらを抱えながらキッチンから出てくる狭間の声に我に返り、思わず反射的にキャッチしたあいつからのパスがなんだったのか、手の中を確認すると。









「……オカメ納豆。」





オカメが俺に、微笑んでいた。