「祐君、大学行ったら一人暮らしする?」
「ん?まだ家に居るつもり。」
「ほんとっ!?やったー!じゃ、回覧板持ってけば逢える?」
「回覧板無くても、彼氏と彼女って逢うもんじゃね?」
「あ。そっか。」
そっか、カレカノなんだー。
「でも、大学卒業したら、隣じゃなくなるな。」
「えっ?…あ、だよね。うん。そか。」
「ばか、なんでガッカリすんだよ!?」
「へ?」
だって、隣じゃなくなるんでしょ?
ガッカリじゃん。
「一緒に住んだらさ、回覧板なくても毎日あえるじゃん。」
一緒に…?
「隣じゃなくなるってそっち?」
祐君は真っ赤な顔してこくんと頷いた。
と、遠まわし過ぎだろ…。
でも、嬉しい。
あたしはまだ中3だし、これから何があるかなんて分かんないけど。
祐君となら、きっと…。
“一緒に住む”
きっと、そんな日がくる――
【完】