「あ。」

玄関でサンダルを脱いでリビングに入ったと同時に気付いた。


回覧板、○つけたっけ?

あれ?
付けてないよね…。

うん。付けてないや。


ま、いっかー。○くらい。

祐君、付けといてくれるよね?


でもなー、
チャンスじゃない?

さっきまともに会話できなかったから、
会話のチャンス。


でもでも、それだけで家までってどうよ。

迷惑かな。


平日だから祐君以外誰もいない。

祐君のおばさんとかには迷惑かかんないけどさ、

祐君がなー。


小さい時なら何も考えないで行けたのにな。


あーどーしよっ!

もう、
…もう行ってやるっ!!


シャーペンを握り締めてサンダルをつま先だけ簡単に通して外へ出た。