―――「うひゃっ!」
『うひゃ』…?
その声で顔を上げると、
サンダルが片方脱げて手を使わずに足だけで引き寄せて頑張っている美鈴。
……手ぇ、使ったほうが早くね?
そう思っているとイライラしたのか、なんなんだか。
「もーうっ!!」
と言って、
サンダルを蹴り上げた。
「ブッ…。」
その姿に思わず吹き出してしまった。
「あ。祐君!!」
「何してんの?」
今度は敬語じゃない。
普通に話せてる。
「あんね?回覧板○付けんの忘れてて……。
も、回しちゃった?」
「あー、俺が付けて回しといた。」
「良かった!ありがとう!!」
「…どーいたしまして。」
普通の会話。
『ありがとう』と凄い笑顔で言われ少し照れてしまった。
このまま会話が無くなって、またしばらく逢えないと思うとなぜか寂しくなり頑張って話題を探した。
「あ。美鈴、『どういたしまして』っていってみ?」
「へ?も、もぅ言えるからっ!!」
「ふぅん?言ってみ?」
「……どういたまして…。」
「ほーら、まだ言えねぇのか!」
美鈴は『どういたしまして』がどうしても
『どいうたまして』になる。
小さい頃から変わってない。

