朝、下駄箱に入っていた手紙を、私は机に広げてじっと見つめる。

『唯川真白さんへ。
あなたのことが好きです。
1年3組 桐生蒼』

たった3行のシンプルな手紙。男子にしては珍しいくらい、きれいな字だった。

からかわれているんだ、と真っ先に思った。

だって、私はその人のことを知らない。

クラスメイトの名前でさえあやふやなのに、他のクラスの人なんて知るわけがない。

そして、なんで手紙?

メールとか電話とか、連絡方法なんて、いくらでもあるのに。