「……唯川さん、なんか、いつも以上に気合い入ってない？」
「前回、成績落ちたから。取り戻さないと」
「相変わらずの低体温ぶりだねー」
「あれで落ちたっていう？」
でもさ、と三好さんがじれっ多層に言う。
「桐生くんだって、のんびりしてるとほかの子に取られちゃうかもよ？」
「べつに、好きにすればいいと思う。付き合ってるわけじゃないんだし」
「……な、なんか、前にも増して、冷たくなってない？最近いい感じだと思ってたのにー」
「べつに変わらないし、私はただ、勉強に集中したいだけ」
そう言ったけれどーー、
本当は、気づいていた。自分のなかの、確実な変化に。
でも、この変化に、どう対応していいか、自分でもわからないのだった。
