恋愛零度。


なんとなく、あの場にいたくなかった。

ーーアオイ。

たしかに、そう呼ばれていた。

「アオイ」なんて、そんなに珍しい名前じゃない。全然関係ない人かもしれない。

でも……

『待ってーー』

彼は、私になにを言おうとしていたんだろう。

「こんなのいらないし……」

動揺を紛らわそうと飲んだごぼう茶は予想以上に匂いが強烈で、苦かった。